機会があり、更年期について産婦人科の先生の話を聞くことができました。
40代半ば~50代半ばにかけて加齢などにより女性ホルモンが減少することにより発病するものと考えられています。このホルモン、徐々に減っていくわけではなく、過度に減ったり、過度に増えたりする数値の変動…たとえて言うなら波のような「ゆらぎ」を作りながら徐々に減っていくという事なんです。このゆらぎによって色んな症状が出てしまうわけですね。
今まで脳視床下部、下垂体という所でしっかり管理されていたのに徐々にずさんになってしまうんです。「あ、なんか減りすぎちゃった、多めに出して帳尻合わせ」「今度は出し過ぎちゃった、ちょっと止めとこう」という感じらしいです。だから症状は個人差があったり、人によって出方は違いますし、一定ではなく時期によって違った症状が出る場合もあるんですね。ホルモンの変動は閉経の6年前位から現れているそうです。
日本産科婦人科学会では閉経前後の5年間を更年期と呼び、この期間に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、その中でも症状が重く日常生活に支障を来すものを更年期障害と呼びます。更年期障害とは自律神経失調症状と精神症状が相互に関係しあって起こる不定愁訴の総称で、主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下ですが、これに年齢に伴う体の変化と精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子が複合的に影響することで症状が出ると考えられています。
鍼灸施術については、1996年、WHO(世界保険機構)が、 「更年期障害」「生理痛」、「生理不順」「不妊」「冷え性」などの 女性特有の症状に効果があることを正式に発表されました。
☑ホットフラッシュと呼ばれるのぼせ・ほてり・発汗
☑疲労感・倦怠感・冷え性
☑イライラしてしまう・抑うつ感(鬱状態)・精神的な落ち込み
☑動悸・息切れ、不眠などの睡眠障害
☑肩こり・頭痛・めまい・腰痛・関節痛
東洋医学の考え方と鍼灸治療
西洋医学による治療は、ホルモン補充療法を中心に漢方薬や精神安定剤の処方です。
東洋医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)という概念がありますが、加齢により先天の精気が減ってくると腎が弱ってくると考えています。特に腎水・腎陰と呼ばれる身体の中を潤すものが少なくなってバランスが崩れ、相対的に体内に熱が盛んになります。
熱が盛んになると、いわゆるホットフラッシュのように急に身体があつく火照ったり、のぼせたり、蒸されるように額から汗が出ます。
また腎の弱りが肝や心の制御が効かなくなると興奮気味になり、不眠や動悸などの睡眠障害やイライラして怒りっぽくなり、脾に影響すると反対に落ち込みやすくなり、抑うつ症状が現れます。
腎の弱まりが原因ですが人によって影響する臓腑が違うので、更年期障害と言っても徐々に症状が変わってきたり、様々な症状の出方があります。身体の状態に合わせて鍼や灸、マッサージを行うことが大切です。
この時期に現れた不調に合わせて鍼灸治療で五臓のバランスを整えていけば、更年期症状を軽減もしくは消失させるだけでなく、その後の生活の質=「QOL」Quality of life(クオリティ オブ ライフ)を急激に落とさず体調良く過ごすことができます。
更年期障害は、生理学的に言うとエストロゲンの急激な減少という変化に体がついていけないために起こります。しかし、エストロゲンの低下に体が慣れてくれば、自然と心身の状態は落ち着いていきます。更年期障害になってしまったからどうにかしなければと焦ってしまったり、落ち込んでしまったりするとそのストレスがさらに症状を悪化させてしまうこともあります。体が変化している時期なんだと考えて鍼灸やマッサージ治療を受けてゆったりとした気持ちで過ごすようにしてみてはいかがでしょうか?
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